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2)ターミナル駅の利用目的から見ると、利用者の円滑な移動を支援するために設けられた視覚案内の視認効果を保持することが、優先的な課題と考えられる。
3)利用者の視覚的な情報受容環境を整えるために、これら視覚的な要素を総合的に調整することが必要である。

 

2. 聴覚的な要素のプライオリティ
1)ターミナル駅には、音声案内のほかに、次のような音量の大きな音がある。
a.構内売店の売り子の拡声音
b.企業キャンペーンの呼び込みの声
c.券売機や改札機の故障報知音等
2)一般のターミナル駅の音声案内は、列車の変更や異常の発生など緊急性の高い情報提供に用いられている場合が多い。
3)ターミナル駅の利用目的からみると、利用者に提供される音声案内の伝達効果を保持することが、優先的な課題と考えられる。
4)利用者の聴覚的な情報受容環境を整えるために、これら聴覚的な要素を総合的に調整することが必要である。

 

3. わかりやすい空間づくりの課題
1)現状のターミナル駅では、複合化、大規模化する過程で、継ぎ足し的な、あるいは割り込み的な駅改造を重ねてきた場合が多く、その結果空間構成が複雑なものになっている。
2)利用者の円滑な移動を確保する最も墓本的な対応策は、空間そのものをわかりやすくつくることである。
3)動線が短く、視界が開放されて見通しのよい空間計画の検討が求められる。

 

4-3 的な対応における留意点
1)第1項で触れたように、コミュニケーションの原点は、情報の送り手と受け手が、直接会ってことばを交わすことである。
2)機械化・省力化の方針から鉄道施設に係員がいなくなっている状況の中で、ターミナル駅の自由通路で行われる、案内専門の人的サービスについて検討することが求められる。
3)人的サービスは、さまざまな障害にも対応する総合的な能力を期待できる。

 

4-4 その他の留意点
1)第1項で触れたように、的確な情報収集は、適正な行動の前提条件である。
2)移動を開始する前に、居室で予め情報を確認することができれば、利便性が高まることが期待できる。
3)簡便な案内パンフレット等、適切なツールの整備について検討することが求められる。

 

 

 

 

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